ちびの備忘録

mon rêve est la vie "fabulous" comme un petit chat et un nuage ...

『花とアリス』

 


蒼井優(Yû Aoi)|Nestle KIT KAT 映画『花とアリス』予告編|主演:鈴木杏

 

 ちびです。おはようございます。この映画のことを考えていたら、猛烈に見たくなったので、家事やPCをいじりながらBM代わりにしています。最初に見たのは、大学時代序盤辺りだったのですが、その時と観方に変化が、、もう、これは今まで考えていた「高校生の恋愛もの」じゃないです。以下、ネタバレありです。

 

 花という女の子と、アリスという女の子が大人?の女性に一歩近づく(成長する)物語だと思うのです(もうご周知のことでしょうか。。)。もしかしたら、違う側面から成長する二人(親友同士)は同一人物なのかもしれません(?)。そして、最終的に自分が「愛した」女性ではなく、自分を「愛してくれた」女性を選んだ宮本先輩も(なんとなーく、どっち付かずで中途半端だった。自分が好きな事*落語には脇目もくれず、邁進出来るのに。)自らの判断で女性を選んだという点では、成長したと言えるのではないでしょうか。

 

 花は自己中で、唯一の友達であるアリスをも利用して、宮本先輩の気持ちを惹こうとします。そして、ストーカー体質で、周りどころか自分のことも見えていません。一番危険だと思ったのは、自分が「普通」(アリスは変人)と思って疑わないところでしょうか。恋愛において、一途でピュアなところは可愛いです。

 

 アリスは、家族にトラウマがあります。恋愛体質の母親にうまく利用されて、家事も任せられています。だから、アリスの家はゴミ屋敷、、まではいかないけど、全く片付いていませんし、母親はアリスが折角作った料理を食べません。アリス、料理はとても上手です。デートにはお弁当を持参してくれる程の家庭的な女の子ぶり。そして、そんな母親と、別れた父親のことを心から愛しています。年齢の割に達観したところがあって、本音を話すことが出来ません。一場面だけ本音を言うシーンがあるのですが、それも、空気を読んで「冗談ですよ」とお茶らけます(ジェスチャー付で)。

 

 そんな二人に振り回される宮本先輩。本当にかわいそうな人物なのですが、ラストシーンでの花の告白!なんと、「アリスは宮本先輩が好きなんです。あいつ、いい奴ですから、よろしくお願いします。」みたいなセリフを言うのです。あの自己中で、友人をも利用出来ちゃう花がです!これは革命的です。そして、その告白に宮本先輩は…!

 

 きゃー。いいなー。あともう一つ、好きなシーンがあります。アリスが家族との思い出を宮本先輩とのデートに重ねる場面。最後のデートです。あの、トランプ!宮本先輩の「毎日見つけるよっ!」というセリフ。この辺の物語と絶妙なカメラワーク、音楽がとてもいいんですよね。個人的には、岩井監督の「桜」を映す雰囲気というか、空気感が好きです。松さまの『四月物語』でも「桜」が効果的に使われていると思います。いやー、映画って本当にいいものですね。長くなりました。お読みいただき、ありがとうございました。

 

追記:アリスのラストのバレエシーンはとても美しいですよね。自分の「好きな世界」を大人たちに「表現」し、それが受け入れられ、夢の実現(=モデルデビュー)につながるストーリーは本当に最高です。家族(母親)との関係も修復の兆しを見せますし(なんと、アリスが帰宅すると、母親が掃除をしている)。あとは、老婆心ながら、宮本先輩に代わる男性(もしくは、宮本先輩が花と別れて、アリスを再選択希望!)がこの後現れてくれたらいいなぁ。アリスは今でも充分幸せだと思うけど、みんなのためにがんばってきたんだし、欲を言うと、ね。

 

【過去の参考記事】

haruno2015.hatenablog.com